合同会社OneSelF
佐藤 祐輔(さとう ゆうすけ)さん
オーダーメイドな“家トレ”をご提案
スポーツ・運動を通じた『主体性の醸成』をコンセプトとした、“セルフ”パーソナルトレーニングジムを手掛けています。具体的には医療・トレーニングの専門資格を持ったスタッフが、お一人ひとりに適したオーダーメイドな“家トレ”をご提案し、その習得と実践をサポートします。「やってもらうカラダづくり」とはまた違う、自身の手でカラダを変える成功体験を通して、主体性の醸成に不可欠な“やりがい”と“自己効力感”を高めることで、スポーツ・運動の魅力を最大化することを目指しています。
勤務の傍ら大学院へ通う
起業する前は、まず5年間、スポーツ整形外科で理学療法に従事していました。そこでは一種、職人としての知識と技術の研鑽に励む毎日で、大変充実しておりました。その後は、2年間、勤務の傍ら大学院へ通い、これが大きな転機になりました。大学院では某大手IT企業と共同研究を行い、一からプロジェクトを立ち上げるという非常に新鮮な経験ができ、様々な角度からスポーツ・運動を捉えることができました。もちろん今でも理学療法の仕事が重要だと思っておりますが、それはスポーツ・運動の魅力を最大化する一端であり、もっと広い視野で物事を捉える必要性を痛感しました。そして何より、スポーツや運動を行う人が、その活動を通して人生を豊かにすることに最もフォーカスしなければいけないと再認識しました。と同時に自分の専門性の活かし方を考え始め、この頃から起業を意識していました。しかし、それまで理学療法以外に全く興味がなく、いざ起業しようとしてみると何から手をつけて良いか全くわかりませんでした。そこでまず創業塾に参加し、マーケティングや資金調達などの方法論から、起業家として自社のサービスの魅力を伝えていく大切さと難しさを学びました。ここで得た知識を共同経営者とあーでもない、こーでもないと協議しながら、徐々にビジネスデザインを精錬させていきました。加えて、この創業塾では、知識だけではなく、その後の融資やアドバイザーさんとの繋がりができ、非常に有益でした。
『主体的に』人生を豊かにするカラダづくり
起業の一番のきっかけは、大学院の卒業です。ありがたいことに卒業の際に様々なお誘いをいただきました。その中の一つには大学時代から私が目標として描いていた職場もあり、もちろん葛藤がありました。一方で、大学院に入り、ある意味で職人としての理学療法士から少し距離を置くことで、スポーツ・運動のカラダづくりに対して私ができることは、単にカラダを改善することだけではないな、と思うようになりました。ケガの改善やパフォーマンスの向上などの成功体験を、自身の手によるカラダづくりで実現させることで、“やりがい”と“自己効力感”を高め、「結構、自分できるじゃん!」とワクワクしながら『主体的に』人生を豊かにする。そうした力がカラダづくりにはあるのではないかと強く思うようになりました。そして、紛れもなくスポーツ・運動はそのきっかけを与えてくれる魅力的な機会であり、その魅力を最大化することこそが私が実現したい世界だと思い起業を決めました。
いつでも、どこでも、的確に
OneSelFの強みは、まずは何と言っても専門的なカラダづくりです。スタッフは全て医療・トレーニングの専門資格を所持しており、カラダのストロングポイントとウィークポイントを把握した上で、お一人ひとりに的確な「家トレ」をご提案・指導します。二つ目は高いコスト・タイムパフォーマンスです。一見「家トレ」と聞くと、なんだかしょぼそうな印象を受けるかもしれませんが、緻密に練られた「家トレ」ほど効率的かつ経済的にカラダを変えられるものはありません。OneSelFではオリジナルのトレーニングアプリによるサポートで、施設外であっても「いつでも、どこでも、的確に」トレーニングできるよう工夫を凝らしています。そうすることで施設にお越しいただく頻度を適正化でき、コストと時間を効率よく活用いただけます。もう一点は他分野との積極的なコラボレーションです。スポーツ・運動は一分野で完結することはありません。栄養やメンタルコーチングなどの専門家とともに広い視点でスポーツを捉えることで、多くの気づきを得ることができます。この他にも地元のサッカースクールとのジュニアアカデミーの共催や、地域住民の方への体力測定・カラダづくり教室の開催、トレーナー志望の学生やアスリートのキャリア形成支援など様々なコラボレーションを行っています。そして、これらの強みの最終目的が『主体性の醸成』であることが何よりもの強みです。
価値を創造することの楽しさに毎日ワクワク
一般的に、ビジネス化すると「なんだ、金儲けか」と揶揄する声が一定数あると思います。特に日本の教育システムではその色が強いように思います。実際に私もそのような言葉を投げかけられた経験があります。私たちトレーナーの業界では、ボランティアが高尚なものとして扱われている節がありますので、そうした色はさらに強いかもしれません。私も病院時代にはスポーツ現場などで仕事が休みの日にボランティア活動をしていました。その活動自体はやりがいがあり選手が活躍する姿を見るのは非常に楽しかったです。そして、何より有難がってもらえる、誰かの役に立てていると実感できたこの経験は、若い私にとっては非常に有意義なものでした。ただ、家庭ができたり仕事が忙しくなってくると、プライベートの時間がなくなってしまい継続が難しくなってしまいます。このように、良いことが続かなくなることこそが本当の悪だな、と感じました。価値あるものに適切な対価を支払う。そうすることで良いことが様々な進化を重ねながら継続していく。これが最も建設的なクライアント様と会社の関係であり、ビジネスの素晴らしさだと感じるようになりました。一方で、起業家としてはまだまだ新米でクライアント様にとって何が本当に価値あるものなのかを見極めることに四苦八苦しています。しかし、価値を創造することの楽しさに毎日ワクワクしており、起業して悪かったと思ったことはありません。
起業を志す方へのアドバイス
私もまだまだ色々と試行錯誤している段階で偉そうなことは言えませんが、一つ言えることがあるとするならば、起業は自分の信じる正義を世の中に問うことができる貴重な機会です。そして、その正義が伝わって魅力を感じてもらい対価が得られた時に、私の人生もより輝き、クライアント様もより良いサービスが受けられるWIN-WINの関係が築けると思っています。大副業時代の昨今、特段仕事を一つに絞る必要はありません。起業は大変なことも多いですが、たとえ小さいことでも自分の信じる正義を問うて人生を輝かせたい方にオススメです!
アドバイザーからの一言佐藤さんが開設したジムは三鷹駅南口の三鷹商工会近くで、立地的にも人が集まる場所です。今健康ブームでもありますが、自分の体に合っていないトレー二ングをしている方に向けて、「家トレ」アプリを開発したとの事。学生アスリートやスポーツ選手との人脈が広く、アスリートのリハビリテーションから高齢者のヘルスケアまで、幅広いサポートを提供してくれる場でもあります。理学療法士でもある佐藤さんの若さと、お客に寄り添う姿勢がウリのジムです。 株式会社マネジメントブレーン取締役 静間 俊和 |