株式会社若木屋
浦野 英明(うらの ひであき)さん
デザイン制作とWEBメディアで日本の文化と、人と人をつなぐ
紙媒体を中心とするデザイン制作と販促ツールの企画・制作を行なっております。あと、日本の文化の情報に特化したWEBメディア「わつなぎ」を立ち上げ、日本の文化って「知っているようで知らない」「気にはなるけれど敷居が高い」と思っている方に向けて、分かりやすく、気軽に触れられる情報を発信しています。「わつなぎ」を通じて、日本の文化とつなぐ、人と人をつなぐ、きっかけのお手伝いをしています。
元上司と互いに起業して協業
当初、“起業”という言葉は意識していませんでした。制作・プロモーション系の会社に勤めた後、前職のスキルを活かしてフリーランスでデザイン制作を行っていました。自宅兼事務所からはじめて、同業者とのシェアオフィスにて活動をしていました。ある時、元上司から連絡があり「今度、販促・プロモーション事業の会社を作るが一緒にやらないか。」という話をいただきました。一緒にといってもスタッフとして加わるという事だったので、“う〜ん。新鮮味がないな” と思いつつも、“少し仕事の形を変えてチャレンジしたいな” とも思っている時期だったので、起業して法人として合流というのはどうでしょうかと提案しました。結果、互いに起業して、協業するスタンスで始まりました。起業を意識した時は、その時ですね。その為、起業にあたっての準備は、ほとんどありませんでした。会社登記の準備と経理面を整えたくらいです。起業してからは、セミナーや交流会に参加したり、経営者に話を聞いたりと経営の部分を意識するようになりました。
打ち合わせで忍者に出会う
“仕事の形を変えたい”“元上司からの誘い”を、きっかけとして起業しましたが、業務内容も少しずつ広がり変わっていきました。起業前からお付き合いのあるクライアントから、「今度、国際カンファレンスのディナーミーティング時に、エンタメショーを行うけれど手伝ってくれない?」と言われ、「おっ! 楽しそう。」って、興味があったので準備の段階から手伝う事にしました。打ち合わせに行くと黒い装束をまとった男性がいました。 “ガチの忍者” です。パフォーマンスも行うけれど、忍術の鍛錬や武術も学んでいる方だったんです。忍者や侍ってだけでかっこいいじゃないですか。さらに、追求しているってすごい事だと思いましたね。エンタメショーは、想像以上の盛り上がりでゲストも主催者も喜んで頂けました。その経験から気づかされる事が多く、日本の文化をもっと知りたいし、関わりたい。そして、みんなに知ってもらいたいと思い、日本の文化の情報に特化したWEBメディア「わつなぎ」を立ち上げるようになりました。起業の時も新規事業の時も“人との出会い” がきっかけになり、自分なりに考え “やってみよう” って思った時に動いています。起業は、行動した先にあった事柄で、事を成すための過程のひとつなのかなと思います。
強みは忍者になれること!
忍者になれます!忍術修行や子ども向け忍者体験、忍者・侍のパフォーマンスや忍者入門オンラインセミナーなど、対象者やスペース、予算などに合わせて、内容のご提案をしてお届けします。忍者の他にも、歌舞伎舞踊・日本舞踊や三味線・和太鼓などの演者によるパフォーマンスも行えます。「わつなぎ」は、“伝統・芸道” “芸能・伎芸” “武芸・武具” “造形・芸術” “食物・習慣” “風土・歴史” と様々な興味に合わせて情報を発信しており、広がりつつあるメディアですので、告知や情報発信など活用出来るのではないかなと思います。また、起業前から行っているデザイン制作は、様々な案件に対応してまいりました。和に特化した部分だけでなく、各種プロモーションのひとつとしてお役立て出来るのではないかと思います。
経営者に不向きの自分が会社経営をし続けられたら面白い
会社員の時は、納期に追われる日々で作り上げる事が優先でしたが、フリーランスの時や起業してからは、良いも悪いも全て自分に返ってくるので、クライアントの事、その先、また、まわりの状況を意識して制作できるようになりました。その分、やれる事が増えてより時間が足りない事も起きてしまっていましたが(笑)。ただ、やりがいはありました。厳しい案件でも、どこかで楽しめるポイントを見つけて楽しんでいましたね。あと、活動もある程度コントロールできるようになるので、新しい事もチャレンジできました。興味ある事にチャレンジするのは楽しい事なので良いのですが、“楽しかった” で終わってしまう事もあり、その部分は問題だなと思います。私は、経営者に“向き不向き” で言ったら後者だと思います。でも、不向きの自分が会社経営をし続けられたら面白いじゃないですか。そう思えるのも、起業したから感じる事で、起業してみないとわからない部分でもありますね。
起業を志す方へのアドバイス
起業は、事を成すためのひとつの道であると思います。以前、ある方が「己の意思あるところに道が作られる」と言われていました。自身で考え、決断した先には、進むべき道、行為が見えてくるのだと思います。形にこだわらず、現状出来る事、興味・関心があるコトを行動してみるのもひとつかもしれません。難しく考えず「まず、やってみる」ですかね。
アドバイザーからの一言浦野さんのおっしゃる通り、起業は「事を成すための過程のひとつ」であり、そのものが目的ではありません。とは言え、起業することで見える世界が変わり、お仕事の領域が広がっている様子がわかります。「業者領域」を超えられずに苦労している方々も多い中、準備段階から企画に加わったり、クライアントさんのみならずその周囲まで意識が拡がったり、「パートナー領域」でお仕事をされていて素晴らしいですね。 株式会社マネジメントブレーン代表取締役 社長 姫野 裕基 |