株式会社むーなび
大野 鷹(おおの たか)さん
どのような事業をされているのですか?
「オモイをカタチに」をコンセプトに、メインは企業·店舗様のWEBサイト作成やWEB保守運用をするWEB事業を展開しております。また自社完結のメディア事業として武蔵野市のWEBメディア「むーなび」を運営しております。その他最近では、イベント·ワークショップの企画·運営や事務局業務の受託·SNS運用代行などの広報支援業務も行っております。
いつから起業を意識されましたか? どのような準備をしましたか?
2020年4月、世界的に新型コロナウイルスが感染拡大する中、フリーのデイトレーダーとしてやっていきたいと思い、証券会社を退社しました。起業を意識したのはその頃だったと思います。毎日時間を決めてデイトレードを行っていたので、空き時間ができその間に自分でもやってみたいことを考え始めました。(今思うと、サラリーマン時代にも営業先で多くの社長とお話する機会をいただき、感化された部分もあると思います。)その中で、ある会社の社長に相談をしたところ「うちと同じことそっちでやればいいじゃん」と言われ、「やってみるか」と思いました。相談した会社もWEB制作とWEBメディアの運営を行っており、まずはHPの作り方から準備を開始しました。基本的には自分の体とPC·ネット環境さえあればできるビジネスモデルだったので、準備という準備はそれくらいです。その後登記手続きなどを調べ、2020年12月に起業いたしました。
起業のきっかけはなんですか?なぜ起業したのですか?
上記の質問の答えと重複する部分はありますが、起業のきっかけは知り合いの社長の一言です。ただ遡り、独立する理由となったのは、生きたいように生きるには自分でやるしかないと思ったことです。サラリーマンを辞める前に転職活動をしたのですが、最後までどこか腑に落ちないことがありました。それは 「本当に自分の時間(人生)を使ってその仕事がしたいのか、その会社のためになりたいのか」ということです。その時の結論は1人でやることだと考え、デイトレーダーという形で独立しましたが、それはそれで自分がやっていることに物足りなさを感じました。私にとって「自分が時間を使って行ったこと(仕事)が誰かの役に立ち、自分も満足できる」ことが一番大事だと改めて気づくことができました。大企業で働いている間は、給与や福利厚生などの待遇面もあり、その感覚が薄まっていたと思います。そしてそれを実現するために、結果的に会社を起こすという形になって今に至っております。
あなたの事業の強み、アピールポイントは何でしょうか?
弊社の強みの1つは地域密着で事業を行うことの信頼性です。例えばWEB制作であれば必ずお客様の元に直接伺い、なぜHPを作りたいのか、HPを作って何を改善したいのかなどをヒアリングします。また、直接伺うことでお客様の会社や店舗の雰囲気を感じ取ることができ、ご意向に沿ったHPを制作することができます。また地域メディアの情報収集に関しても、自分たちの足を使い、目で見たことを伝えることを信念にしております。これらを大事にする背景には新型コロナウイルス感染拡大も関係しております。移動を制限されることで、自分が住む地域に目が向き、直接会える距離にいる人をより大事に感じるようになったのではないでしょうか。WEB事業を展開しているからこそ、“リアルを大切に”することは弊社の強みです。もう一つの強みは提案力です。WEB事業を中心にメディア運営·SNS運用で培ったマーケティング力を生かして様々なニーズにお答えすることができます。例えば広報にお困りのお客様に対して、WEBではないアナログ手法のご提案をすることもございます。お客様にとって何が一番喜ばれるのかを考えご提案いたします。
起業して感じることは?
個人として一番感じることは自由であることです。1日24時間を何に対してどのくらい時間を使うかを決めることができます。これまではプライベートと仕事という大きく二軸で動いていたのが一つの軸になりました。この生き方は望んでいたことなので起業して良かったと感じています。会社として感じることは、“すべて自分”であるということです。受注する際は弊社を信頼してご発注いただけ、逆に至らない点があった場合もすべて自分の責任になります。雇われの身の場合、受注する際は担当者の信頼ももちろんですが、会社の信頼というアンコントロールな部分も影響すると思います。逆にトラブルがあった際は会社が守ってくれることもあるでしょう。これらも会社を起こす上では想定していたことです。逆に起業して悪かったと感じたことは特にございません。ただもっと早く起業すればよかったとも感じていません。サラリーマンとして働いた経験が今に生きていると感じています。
起業を志す方へのアドバイス
起業はあくまで手段です。会社という“ハコ”を作って何を提供したいのか、どういう会社にしたいのか、自分はどういう生き方をしたいのかなどはイメージしておくといいと思います。これは一部、私も具体的に考えられていなかった部分もあるので、反省をしております。ただ迷っているのであれば起業したほうがいいかなと思います。どこかで出会えることを楽しみにしております。
アドバイザーからの一言トップの自転車のお写真からもわかる通り、大野さんはとても活動的。地域を駆け巡り、リアルをとても大切にしている様子が活き活きと伝わってきますね。証券会社からデイトレーダー、そしてWeb事業への転身。初めて伺ったときは少しびっくりしましたが、大野さんを見ていると、そういうパターンもアリなんだなと感じます。若手経営者の大野さんではありますが、「誰かの役に立ち、自分も満足できることが一番大事」という言葉には、あらためて「働く意義」を考えさせられます。 株式会社マネジメントブレーン代表取締役 社長 姫野 裕基 |