エイジアンユニティ行政書士事務所by Oriental Works
野村 幸憲(のむら ゆきのり)さん
どのような事業をされているのですか?
行政書士・外国人雇用労務士として、主に外国人雇用に関する企業様の課題解決をお手伝いしています。「初めて外国人を雇いたいがどうしたらいいの?」「技能実習生と特定技能の違いがわからない」「コンプライアンスが心配だ」などにお答えするところから、実際に外国人を雇用するまでのコンサルティング、雇用手続き、雇用してからのフォローアップなどをしています。
いつから起業を意識されましたか? どのような準備をしましたか?
2013年からミャンマーに移り住み、日本のデジタルの仕事を現地で下請けする会社を起業しました。2016年には日本語学校を設立、2018年からミャンマーの若者を日本へ送る許可も取得しました。現在日本語学校には本校・分校・提携校合わせて500人の生徒が日本で働くために勉強しています。今までに約900人を日本へ送り出し、現在も私たちの卒業生約550人が日本で頑張って働いています。
コロナで2020年に一時帰国してからは、日本側で特定技能外国人の受け皿となる登録支援機関となり、グループ会社として技能実習生の監理団体も設立。そして2023年に行政書士試験に合格してこの武蔵野市に行政書士事務所も構えました。これで外国人雇用に関しては、現地での教育・送り出し、各種手続きから日本での受入れ・支援・監理まで一気通貫で行える体制を整えました。これは日本にたくさんのよく似た会社がありますが、外国人雇用に関してここまで全てに関わっているのは、私たちが唯一無二の存在だと思います。日本語学校を作ってからずっと、自分たちで最初から最後まで責任が取れる体制を作りたいと考えていたので、いったんの完成形となりました。行政書士は日本全国に5万人以上いますが、ここまで深く外国人雇用に特化した国際業務に関わっている人は稀だと思います。
また、次のステップとして、最近はネパールとモンゴルでも同様のことを始めました。
起業のきっかけはなんですか?なぜ起業したのですか?
行政書士になろうと思ったのは、やはり日本で働く外国人や外国人を雇う会社の味方になりたい、と思ったからです。今まで生きてきたバックグランドが全く違う人が日本という国で仕事するには、たいへんなことがたくさんあります。また、企業にとっても異国で育った文化を背負う人を雇う時には様々な心配事や解決しなければならない課題があります。それらを「業者さん」の立場だけでなく、「行政書士」としてフラットな立場と法律的な観点から役立てたら良いなぁと考えた次第です。
武蔵野市に事務所を構えたのは、単にグループ会社内でのクライアントだけをお手伝いするだけでなく、もっと広く役立てないかなと思ったからです。行政書士は「町の法律家」と言われますが、気軽に相談に乗れるような存在になりたいと思っていて、できるだけ武蔵野市や商工会議所、私の入っているシェアオフィスのイベントには出たいなぁと考えています。お陰様で同じような部類の人間が少ないからか困っている方が多いのか、最近色んなところからお声をかけて頂き、講演などの依頼をいただくことが増えました。
あなたの事業の強み、アピールポイントは何でしょうか?
やはり、行政書士でありながらも、送り出す現地の国々に住んでしっかり向き合っていること、そしてその知見を日本側でもそのまま生かすことができること。これに尽きます。また、グループ全体ですべてが繋がっているので情報共有もスムースで、企業様やそこで働く外国人、はたまた日本で働こうと考えている人たちにも適格な情報を提供できるところが強みだと思っています。
あとは、「責任逃れができない」こと。通常、外国人を雇う場合などは日本語学校、送り出し業者、支援業者、監理団体などすべてが独立していて、お互いの関係性が薄いです。私たちは「すべてで1つ」ですから、言い逃れができません! これが私たちのグループ内の体制をより強固にしていると思っています。「良い人材に良い教育をし、良い会社に入れる。それ以外やらない」というエイジアンユニティグループ全体の行動指針に沿って、それぞれが頑張っていますので、「野村さん、来年もよろしく」と再依頼頂くのが嬉しい限りです。
そのおかげで、現在は宣伝広告や営業活動をほぼ行っておりません。すべてお客様は「紹介」と「リピーター」だけになっています。限りある人材を教育や支援に使っているために営業部隊が作れないというのがホンネなのですが、紹介して頂いた企業様、リピートして頂いている企業様を裏切れないので、緊張感を持って仕事ができます。それが良い結果につながっていると思っています。
起業して感じることは?
起業して感じることは?
「私たちは地球的視野に立ち、関わる全ての人の幸せを追求します」がグループ全体の経営理念です。会社規模は小さく、影響力はないに等しいかも知れませんが、自分たちも含め関わる人たち誰も不幸にしない、そのために全力を注ぐことを国籍関係なく、みんなで頑張っています。それが何よりも嬉しいことであり、起業して良かったと感じる瞬間です。
これからの日本は増々外国人がいないと成り立たない社会になっていきます。その時にできるだけお互いの価値観や習慣の違いなどを乗り越えて、多文化共生社会の良い日本になれるか、そこに非力ですが私たちも関わっていきたいと思っています。
口で言うのは簡単ですが、難しい事は、たぶん私たちが一番感じているかも知れません。でもそれを越えて作られる強い絆があることを知っているからこそ、ぜひ頑張っていきたいと考えています。
起業して悪かったと感じることは全くありません。むしろ起業したからこそ地球的視野に立って、関わる人を幸せにするんだ、なんて考えたのだと思います。起業することは、利益を生むことであるとは思いますが、私は社会を変える基礎だと思っています。もっとより良い日本にしたい、そのために関わって行きたいと思っています。
起業を志す方へのアドバイス
「ご自身の心がワクワクした方を選択すること!」もちろん苦労はありますが、そうすると心身ともに豊かに日々を過ごせると実感しています。自分が人生をかけてしていきたいモノやコトが見つかったら、ぜひ起業してください。週末だけ、月に1回だけ、など今のライフスタイルに合わせた、起業の方法がたくさんあります。困ったことがあれば、起業家の先輩が所属している、マネジメントブレーンさんに相談してみてください。
アドバイザーからの一言国内の人口減少に伴い、労働環境は大きく変化し、外国人労働者の増加がさらに見込まれています。野村さんはミャンマー、ネパール、モンゴルを奔走し、教育から送り出し、受け入れまでを一貫して手がけています。そして、行政書士の資格がその活動を支える最後のピースとなりました。現在、ミャンマーとネパールで日本語学校を運営しています。私も何度か一緒に食事をしましたが、翌朝にはもう海外へ飛び立っているという多忙ぶり。近江商人の 「三方良し」 の精神を胸に、この意義深い仕事に取り組んでいます。 株式会社マネジメントブレーン代表取締役 社長 姫野 裕基 |