髙谷行政書士事務所 髙谷社会保険労務士事務所
髙谷 桂子(たかや けいこ) さん
https://eclatante-consulting.com/
特定行政書士・特定社会保険労務士の髙谷先生。経営者の「ありたい姿」を実現するため、経営・マーケティング、許認可、労務管理・人事評価制度の導入、そして補助金・助成金申請など、お客様のライフステージに合わせたサポートをされています。創業支援にも力を入れられている髙谷先生に、ご自身の創業と子育てについて伺いました。
子育てと仕事の両立で工夫したことはありますか?
私の生まれ故郷である山口県に、吉田松陰が「松しょう下か村そん塾じゅく」を幕末に開き、松陰の志を継ぐ維新志士たちを数多く輩出しました。「吉祥村塾」はその「松下村塾」を文字ってつけた名前です。
世の中のお母さんはみんな同じだと思いますが、産後は自分の時間はなく、仕事するなんてとんでもないという時期なので、家族の中では「○時から○時まで打ち合わせで○時までには帰るから2時間だけ赤ちゃんを見てて!」など、「ホウレンソウ」を徹底しました。息子はミルクを飲まず母乳だけで育てていたため、私が外出するときは母乳を冷凍保存していました。それと我が家は息子が生まれてから半年位まではずっと夫が息子のお風呂担当だったんです。夕方帰宅して、再び仕事へ行く毎日。大変だったと思いますが協力してくれたことは今でも感謝しています。
あともう一つ挙げるとすれば、「完璧にやるのをやめよう」と決めました。手を抜くというより、私一人で子育てと仕事を完璧にこなすのは無理だと思ったので、家族はもちろん、ママ友、地域の子育て支援サービスなど、周囲の方々にたくさんサポートしていただきました。当時は今ほど「女性活躍」という時代ではなかったので、言いにくいこともあったのですが、お客様との打ち合わせやセミナー講師をするときは事前に社長や主催者に「今日は預け先がなく息子を連れて行ってもいいですか?」と確認して、息子とセットであちこち行きました。お陰で息子は皆様のたくさんの笑顔と優しさに触れ可愛がってもらいましたので成長過程で人見知りをすることなく、コミュニケーション力は自然と身に付いたのかなと思っています(笑)。
■創業を検討している子育て中のママへ、メッセージはありますか?
これすごく憶えているのですが、私が小学校低学年の頃、母から「お母さん、外へ働きに行ってもいい?」と聞かれたことがあったのです。私が生まれた横浜の家は貧しくて、母はずっと1枚1円にもならない封筒折りのような内職の仕事をして家計の足しにしていました。内職より割のいい仕事に変えたかったのでしょうね。しかし、私は学校から帰ってきて一人でいるのが嫌で我が儘を言ってしまったのです。それからずっと母は私との約束を守ってくれました。今の私は母と真逆のことをしていますね。
実は、創業して間もなく家族会議を開きました。夫と私、そして私の実の父も交えて。売上が大してないのに仕事をして、息子に寂しい思いをさせて可哀そうじゃないかと。確かにその通りで言い返す言葉もなく、息子の寝顔を見ながらただただ涙があふれ、泣きながら「『○○ちゃんのママ』としてずっと生きていくのではなく、『髙谷桂子』としての人生を生きたい!」「自分の力を試したい!」と仕事への熱い想いを語りました。
子育てをしながら仕事をするには相当の「覚悟」が必要です。自分だけではなく、「家族の覚悟」です。なぜ、創業したいのか? 何を実現させたいのか?を一番大切な人に打ち明けてみたらいかがでしょうか? それが「創業への大きな一歩」だと思います。頑張って!
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