住宅コンサルティングサービスのはうす・ハウス
宍戸 一晴(ししど かずはる)さん
一般消費者の立場に立った住宅コンサルティングサービス http://house-house.net/
消費者の立場に立って家づくりに必要なアドバイスを
一般消費者が住宅を購入したり、建て替えやリフォームをしたりする際の、資金計画・業者選定・見積もり比較・着工から完成に至る間のトラブル解決まで、消費者の立場に立って家づくりに必要なあらゆるアドバイスをフィーベースで提供する、戸建て住宅のコンサルティングがメインの事業となります。平成26年7月に64歳で起業。平成30年に4期目を迎えました。
諦めの良さと無理をしない積極性が背中を押してくれた
私は基本的には保守的で、起業などとは本来縁遠い性格の人間です。それが丁度50歳の時、たまたまそれまで25年務めた会社が或る事情で同業の大手に営業譲渡されたことがきっかけで、前の仕事で関連のあったFP業界に転じ、その数年後に更にFP業務に関連のある住宅コンサルの世界に転じました。今思えば50歳のときのこの出来事がなければ、おそらく学卒で入社した最初の会社で定年を迎えていただろうと思います。
この出来事以後の仕事人生は、一発発起したわけでもなく、自分の経験の活かせる、謂わば「隣の領域」に活動の場を少しずつ「ずらして」きただけで、今回の起業も自分の中では同じパターンの繰り返しの範疇だと思っています。新しい仕事と言っても半分は自分の経験してきた領域なので、不思議と過去にあまりこだわらず、新しい世界に入って行けたのではないかと思います。
その意味では、起業のための準備といったものは特に取り立ててしたことがなく、強いて言えば、案外に「無理してジャンプしなくても、ちょっと横を向いてしまったら、進んで横を向いてみる」といった、諦めの良さと無理をしない積極性、といったようなものが、その時々に自分の背中を押してくれたのかもしれません。
前職の会社と協力しながら独立採算のオフィスで仕事を継続
私が起こした事業は、元々私が初めて手がけたビジネスではありません。前職で十数年間関わってきた内容とほぼ同じです。その意味では、私の起業に向けての思いは、前職の経営陣が事業を通じて抱いてきた思いと基本的には変わりません。それは「消費者が家を建てたいと思っても、住宅は一生に一度か二度の高価な買い物なのに、業者に有利な情報だけで全てが決まってしまっているのはおかしい、消費者主導の流れに変えていかなければならないし、そのためには消費者の味方になってアドバイスする専門家が必要だ」という強い思いです。
ただ、その思いがまだ全く達成できていないという現実があり、その一方、それなりの年になり、そろそろ会社を引く時期になったものの、個人的には定年だからどうこうと云う意識もまったくなかったので、独立して同じ仕事を続けながら前職の会社の業務にも協力できれば、「流れを変えたい」という自分の思いも継続できるし、前職の会社にもプラスになるのではないかと考えたわけです。
幸い会社側も私の考えに賛同してくれ、円満退社=ローカルでの同業協力会社設立、となり、私の動きがきっかけになって、今では前職の会社と連携する独立採算のオフィスが、私の事業所を含め、首都圏に6箇所を数えるまでになっています。
中小企業庁の「創業補助金」と商工会議所の「持続化補助金」
起業当初は、なるべくリスクを取らずに取り組んでいこうというのが基本的なポリシーでしたので、活動資金もほとんど準備していませんでした。
しかしこの仕事は、サービスの対価をお客様から頂戴するビジネスです。お客様のために働くのだから対価はお客様からいただくのが当然なのですが、日本の商慣習においてはまだまだ敷居の高いものがあります。しかも日本には家づくり全般をお客様の側に立ってサポートするようなサービスは、まだほとんどありません。
そこでまずは無料のセミナーを開催してそこに参加していただき、どんなメリットがあるのかを理解していただいたうえでコンサル契約に繋げて行こうと考えたのですが、セミナー告知のための宣伝費がありませんでした。
そんなとき役立ったのが、中小企業庁の「創業補助金」と商工会議所の「持続化補助金」制度です。応募の結果、事業者採択を得ることができました。
コンサルテイングの仕事は設備投資が不要な分、立ち上げは楽ですが、消費者に認知してもらえなければ仕事になりません。ある程度の認知を得るまでは地道な宣伝活動が不可欠です。
その意味で、ビジネススタートの時期に公的な補助金を活用できたことは幸運でした。また、そういった情報を身近で得られる環境で創業できたこともラッキーだったと思います。
起業を志す方へのアドバイス
起業にあたって私がまず自分なりに決めたことは3つあります。
まずは継続すること、そのためにも無理をせず、やれる範囲でやること、そしてその延長として家族や家族の生活に影響を与えないこと、です。
特に60歳過ぎてのいわゆる熟年起業、定年起業の場合は、過度のリスクを取らないこと、「細く長く」に徹することが絶対条件だと思います。
アドバイザーからの一言i-office吉祥寺の初期メンバーとして利用いただいております。宍戸さんは、国の補助金や都の女性若者シニア創業融資の採択をされており、これは一つのステータスとなります。と言うのは、申請時に事業計画書を提出し、その計画に対して国や都がお墨付けをした結果だからこその資金調達であるからです。お客目線での住宅選びをワンストップでサポートする、ユーザーから頼りにされるアドバイザーを目指してください。 株式会社マネジメントブレーン代表 静間 俊和 |