髙谷行政書士事務所 髙谷社会保険労務士事務所
髙谷 桂子(たかや けいこ)さん
https://eclatante-consulting.com/
大手食品会社の役員秘書や、ご自分での起業も経験されている、特定行政書士であり特定社会保険労務士の髙谷先生。現在は知的資産経営やマーケティングのセミナーなどで、講師として登壇も多数されています。
現在の高谷さんのお仕事はどんなことですか?
行政書士は、役所に提出する許認可等の書類作成、社会保険労務士は、労働保険・社会保険等会社に必要な保険関係の書類作成とそれらの手続きをお客様に代わって行うのが仕事です。現在、力を入れているのは知的資産経営やマーケティング、人事評価制度導入のサポートで、コンサルティングをベースに「行政書士・社会保険労務士の国家資格を活用する」というビジネスモデルで手続き関係のお仕事もしています。お客様の創業時から会社の成長に合わせて、許認可が必要になれば許認可の申請を、保険が必要なら加入の手続きを、社員が増えれば人事評価の制度導入のご提案などもできるのが他にはない強みだと思います。
会社の成長に寄り添って応援していくイメージですね?
そうですね。特に行政書士はスポット業務が多いので、お客様と継続的に関わるのが難しいのですが、知的資産経営を学び、自分なりにアレンジして継続的な中小企業支援に活用しています。また、「3Cから4Pへ展開!」というマーケティング塾@吉祥寺で習ったノウハウを活かし事業計画作成のお手伝いもしています。「どうしたら自社の商品・サービスが売れるのか?」を考えるのも大事ですが、創業期の方には特に「商品・サービスを通じて、お客様にどんな価値を提供したいのか?」を見える化することが大切だと伝えています。長くお付き合いをすることで、お客様の真の課題を一つひとつ解決していくことを心がけています。私は経営理念とミッション「エクラートコンサルティング~社長と社員が輝く企業づくり~」を大切にしています。コロナウイルスの影響を受けている会社は大変な時期ですが、困難を乗り越え、夢を叶えて輝いていただきたい。そして、その喜びを共有することで私も一緒に輝きたいと思っています。
髙谷さんが起業されたきっかけは?
ある大手食品メーカーの役員秘書をしていたのですが、いい会社だったが故に、社内結婚して、子どもができたら会社を休業して、子育てが落ち着いたらまた復職する女性が多かったんです。私もそうなるんだろうと思っていたのですが、人生は一回限りだし、自分の力を試してみたいと思い、会社を3年で退職し、独立しました。企業のコンサルティングで起業したもののぜんぜんうまくいかず、オフィス用のコーヒーサーバーを扱っている会社にアルバイトで入り、大手町のオフィスビルの上から順に飛び込み営業をしたり、ホテルの契約社員や着物の着付け講師などで働いていました。今振り返るとかなり長い間、不安定な労働環境で働いていましたね。この頃から雇われる立場ではなく、一人ひとりの社員のやる気を引き出す経営に興味を持ち始めていました。
ある日、「行政書士」という資格があることを知り、この仕事でもう一度独立できないだろうか、難しいかな、いやきっとできる!と自分自身に言い聞かせて奮起し、行政書士で独立して自分の夢を叶えよう!と心に決めました。決断したからには行動のみ、仕事をしながら勉強し、4ヶ月で合格することができました。続けて、派遣社員やアルバイトで仕事をしながら簿記、社会保険労務士の資格を取得しました。それから当時神田で開業していた行政書士事務所へ修行に行きました。しかし、すぐには雇ってもらえず、訪ねて行って断られて、でも他の事務所を知らなかったので2ヶ月ぐらいしたらまた行って仕事の書類を見せてもらったり、また2ヶ月後に訪ねて行って…を1年ぐらい続けました(笑)。1年経って一つ席が空いたんです!それでようやく先生から「最初はアルバイトからやってみる?」と言っていただいて、もちろん「はい!」と(笑)。その事務所で5年間お世話になりました。結婚して子どもができたので神田の事務所を退所し、妊娠6ヶ月の時に髙谷行政書士事務所を開設しました。
事業に失敗しないためのポイントはなんだと思いますか?
自分はこうありたい、ということを強く思い、ひたすらイメージすることが第一歩で、失敗しない秘訣なのかな、と自分を振り返って思います。事業計画書を書いても実際はそんなにうまくいかないよ、という人がいるかも知れませんが、事業計画書に見える化した内容は自分が成し遂げたいことなんですよね。途中でうまくいかず悩んでいる時、どこを目指したらいいのかを見失っている時にその事業計画書を見れば軌道修正することが出来ます。「自分はこうありたい」と思って腹を決めて、「そこに行くためにはどうしたらいいんだろう?」と知恵を絞って考える。そうすると「こう動こう」とか色々なアイデアが浮かんできます。私はお風呂に入っている時が一番いいアイデアが浮かび、モチベーションも上がってくる(笑)。「来年、自分はこうありたい!」という短期の計画でも時間軸と自分のあるべき姿を具体的にイメージすること。あとは学びと実践の繰り返しですね。
11年前、経済産業省の方の講義を受講し、知的資産経営をはじめて知った時、これは企業や経営者だけではなく、自分自身にも必要なことだと身体が熱くなったのを憶えています。20代の時に一度失敗しましたが、その時はまだ「自分の強み」「強みを活かす」なんて知らなかったし、人脈もお金もない。でも、この知的資産経営の話を聞いた時に、成功の鍵は自分の中にあると気付いたのです。私が行政書士として開業して間もない頃に、ある社長さんがちょこちょこお仕事を下さるので、「なぜ私に仕事をくれるのですか?」と尋ねてみたところ、「髙谷さんは自分と同じ目線で話を聞いてくれるから」と言ってくれました。思いも寄らない言葉でしたが、それが私の「強み」だと気付き、この強みを開業から13年ずっと磨き続けてきました。知的資産経営をどうしたら広められるんだろう? と考えた時に、「私が目立てばいいんだ」と思いつきました(笑)。ではどうやって目立つか? それには賞を取ろうと考えました。i-officeのマーケティング塾で賞を取り、三鷹の経営塾でも賞を取り、日本行政書士会連合会でも賞を取って、知的資産経営について発言する機会を増やしていきました。そうすることでじわじわと強みを活かす経営が広がってきました。そのことでまた仕事の範囲も広がったと思います。創業者のみなさん、一緒にエクラート(輝く)しましょう!
(取材:いなだゆかり)
髙谷行政書士事務所
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