髙谷行政書士事務所 髙谷社会保険労務士事務所 所長
髙谷 桂子(たかや けいこ)さん
https://eclatante-consulting.com/
特定行政書士・特定社会保険労務士の髙谷先生。許認可や労働・社会保険の加入手続き、労務管理、資金調達など、企業のライフステージに合わせたサポートをされています。
創業支援にも力を入れられている髙谷先生に、創業時の資金調達、特に“金融機関からの融資以外”でどんな方法があるのかを伺いました。
現在の高谷さんのお仕事はどんなことですか?
経営者の「会社をこうしたい!」という想いを実現するための経営・マーケティング・許認可・労務管理・人事評価制度の導入、そして補助金・助成金申請等のサポートを行っています。
創業時は何かとお金がかかりますが、いくらぐらいかかりますか?
事業の規模によって異なると思いますが、日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査」によると、創業時にかかる費用は「250万円未満」(21・7%)と「250万~500万円未満」(21・4%)で4割以上を占めており、全体の平均は1274万円ということです。
また、創業時に利用した資金調達方法で最も多かったのは「金融機関等からの借入」で借入額の平均は882万円、「自己資金」は平均271万円で、両者合わせて全体の90・5%を占めています。
金融機関からの借入以外の資金調達にはどんな方法がありますか?
金融機関からの借入以外の調達方法として、3つご紹介させていただきます。
1つ目は“クラウドファンディング”です。起案者(出品者)がプロジェクトを立ち上げて、不特定多数の人々から比較的少額のお金をインターネット上で集める資金調達の方法です。これまで創業事例集に掲載された多くの創業者がチャレンジして成功されています。起業時の資金調達方法の一つとして一般的になってきたこともあり、成功させるには魅力的な商品・サービスや強い共感を呼ぶストーリーを考える必要がありますが、ファン作りに効果的なのが魅力ですね。
2つ目は“補助金の活用”です。創業助成事業や小規模事業者持続化補助金がおススメです。創業助成事業は都内創業予定者又は創業して5年未満の中小企業者等が対象で、原則として返済不要です。助成額は最大300万円、他の補助金と比べて対象となる経費が幅広く設定されているのが特徴です。採択率は低いですが、事業計画のブラッシュアップになりますので、是非チャレンジしていただきたいと思います。
3つ目は“ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの出資”になります。株式等と引き換えに出資を受け入れる資金調達の方法です。短期間で成長し上場を目指したい方や、VCからの経営アドバイスを受けたい方などに向いています。以前、出資を受ける方のサポートをさせていただきましたが、出資に至るまでの審査には時間がかかりました。なので、急ぎの資金調達には向かないかもしれませんが、成長への近道としてチャレンジするのも良いかもしれません。
資金調達はそれ相応の準備が必要です。どんな準備が必要かは、「自分が貸す(出資する)側だったら、借りる(出資を受ける)人に何を求めるか?」そんな視点で考えてみてはどうでしょうか。
(取材:いなだゆかり)
髙谷行政書士事務所
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