マーダーミステリー没入空間 mystery mansion dots 執事長
アロング さん
2023年6月に、マーダーミステリー専門店「マーダーミステリー没入空間mystery mansion dots」が三鷹にオープンしました。今日は執事長のアロングさんにお話を伺いました。
「マーダーミステリー(マダミス)」とはなんですか?
「推理小説の登場人物を体験できるゲーム」です。物語の中で起こった事件の犯人を捜しながら、個々のキャラクターに設定された目標に従って、プレイヤー全員で一つの物語を紡いでいきます。
マーダーミステリーという名前ですが、必ずしも殺人(murder)が起きる訳ではありません。多くの作品で殺人事件が扱われているため、このような和製英語になったのだと思います。略してマダミスと呼ばれています。
シナリオには犯人役や犯行方法があり、それらが分かって(ネタバレして)しまうとゲームを楽しむことができないので、ひとつのシナリオを楽しめるのは人生で一度だけです。
また「勝ち負けのないゲーム」と言われることもあります。各キャラクターには目標があり「○○を達成できたら何点」と設定されたシナリオもありますが、それはキャラクターの行動指針であり達成ポイントの大小でプレイヤーの優劣をつけるものではなく、大切なのは自分なりにキャラクターに寄り添うこと。そして何よりも全員で一つの物語を楽しむことです。
なぜマダミスのお店をオープンされたんですか?
この館の主であるカスペル様から「マダミスマスター」を生み出すために、マダミス公演を開催するよう仰せ付かりました。そこで私はこの館を「マーダーミステリー没入空間mystery mansion dots」としてオープンさせました。
「マダミスマスター」とは、「七色の声色を操り、あらゆるキャラ心情に寄り添い、鋭く正確な推理をし、息を吐くように周りを欺き、それでいて物腰柔らかく誰も傷つけない、同卓した全てのマダミス民を幸せに導く人物」と聞いております。幾千のマダミスを通過した者の前に「黄金のマダミス沼」が現れ、その沼に入った者が「マダミスマスター」になるのだそうです。
館の運営にはどのような工夫をされていますか?
お客様が物語に集中できるようにインテリアをデザインしています。例えば、リラックスできるアロマの香り、大画面でプロジェクターが投影できる壁や、天井のライトも明るさや色が変えられるようになっています。
カスペル様は上からお客様が紡ぐ物語を見守っておられます。私はカスペル様の身の回りのお世話と、お客様が物語体験に集中できるように精一杯おもてなしさせていただいております。
マダミスの魅力はどんなところですか?
物語の世界に入り込み、その世界のキャラクターとして没入できる体験型の遊びだというところです。体験型の遊びは他にもありますが、自らその世界に入り込むというところがマーダーミステリーは唯一無二ではないかと思います。
多くの方に来館してもらうためにどんなアプローチを考えていますか?
このことが本当に難しいですね。闇雲にチラシや広告でお知らせしても効果が限定的ではないかと思い、力が注ぎきれていません。今は既存マダミス民(プレイヤー)へのアプローチを中心にX(旧Twiiter)での宣伝がメインとなっています。
目の肥えたマダミス民の方でも、一度遊びに来ていただけたら、もう一度来たくなるような空間づくりを心掛けています。これまでの実績から多くのリピーター様がいらっしゃるので、それは実現できているのかなと思っています。
マダミスは企業様の社内研修でもご利用いただける遊びだと思っています。「上司」や「部下」といった業務関係でのロール(役割)を変えて、逆転した関係でのコミュニケーションを通じて、お互いの悩みや課題を実体験できると思います。また、社内コミュニケーション活性化の社内レクとしても是非、ご検討いただきたいです。
この記事で、10公演ほど貸切予約が入ると掲載費用が回収できるので沢山ご予約いただけると嬉しいです。創業を応援していただける経営者の方、お待ちしております(笑)。
マダミス公演の参加方法は?
マダミス公演は完全予約制となります。ご予約方法は予約サイトからお申込みいただけます。
貸切公演予約とイベント(個人)予約の2パターンございます。貸切公演予約はシナリオに必要な人数をご予約者様にて集めていただきご予約いただく方法です。イベント(個人)予約ではお一人から参加可能です。24時間前までに人数が揃いましたら、イベント開催となります。
最後に、アロングさんから創業された方にアドバイスをお願いします。
創業したばかりで皆様にアドバイスなど言える立場ではありませんが、今感じていることをお伝えします。
経営には数値目標や競合との競争を意識せざるを得ないことも多いと思います。創業したばかりの時は、上手くいかず悩むこともあるかもしれません。
マダミスのように、達成ポイントで優劣を付けるのではなく、一人一人の経営という物語体験を大切にしていく。『私(達)は私(達)だ。』くらいの気持ちでマイペースにゆっくりと楽しみながら進めると意外と上手くいくかもしれません。マダミスマスターは当館オリジナルの言葉ですが、その特徴の羅列には、こんな人間になりたいなという想いも込めています。
マダミスはまだ認知度が低くニッチな遊びですが、この経営を通じてマダミスの認知度アップと、人として成長できるように私も頑張ります。
(取材:いなだゆかり)
〒181-0013 |