吉祥寺テレビジョン さん
2018年から吉祥寺を中心とした武蔵野エリアの情報をYouTubeやSNSで発信中の吉テレ(吉祥寺テレビジョン)さん。局長のテレ吉さんに新たな試みについて伺ったあと、コアメンバーの井上さん、グッチ(関口)さん、かじさん、上澤さんに、地域の活動を続ける意義と今後の方向性などを伺いました。
テレ吉局長、吉テレについて教えてください(名前ややこしいな)。
テレ吉 吉テレはSNS上の放送局だよ。吉祥寺を中心に、武蔵野・三鷹の情報を動画で発信しています。アーカイブを意識しつつ、住みたい町・吉祥寺の魅力を読み解くコンテンツを、配信していきます。
今回、何か新しい試みがあると伺いましたが教えていただけますか?
テレ吉 そうなんだよ! ついに公式サイトに画期的な動画マップサイトができたんだよ! とにかくhttps://kichitele.com/を見てみて。YouTubeだけだと何やってるのかよくわからないところもあったけど、5年間の成果を地図上の一覧で見ることができるサイトを作って、街歩きに使えるアーカイブ機能をとうさいしました。携帯サイトも対応しているよ。
かじ YouTubeは見たい動画が探しにくい面もありましたが、地図だと見たい場所がすぐにわかって動画が見られるのがすごくいいですね!
井上 今後もどんどんプロットされていくのが楽しみですね…と、地図の制作者である上澤さんにプレッシャーをかけてみる(笑)。
吉テレを始めたきっかけを教えてください。
井上 武蔵野商工会議所のICT研究会に所属していて同じシェアオフィスのメンバーだった有志が集まって始めました。最初は総合アプリでスタートして、みんなで発信するメディアを作ろうと思ったんですね。その後、かじさんが入って、「何か吉祥寺のニュースを発信しよう」ということでYouTubeを始めたのが5年前です。当時はまだYouTuberもそんなにいない時代だったから、うまく波に乗れればよかったんだけど、ぜんぜん乗れなくて(笑)。けれど、やめなかったから、その都度の街の記録、例えば、吉祥寺のイルミネーションをドローンで撮影した時の記録とか、吉祥寺のお神輿のリニューアルの記録などのアーカイブ的な視点の依頼をいただくようになりました。3年前から成蹊大学での授業もやっていて、吉テレをやっていたからそういうお声もかけていただけたと思います。今は学生たちが街に飛び出して動画を作っています。
テレ吉くんはいつから局長に就任したんですか?
井上 吉テレを続けていくには、みんなが応援したくなるような一貫したキャラクターが必要だと思いました。そこで、常に前に出て行くキャラクターとして2020年に「テレ吉」が誕生したんです。まあ、その後も鳴かず飛ばずですけどね(笑)。
5年やってみてどうですか? 印象に残っている出来事などはありますか?
かじ コロナがあったので、その時期の2、3年が抜けちゃいましたね。
井上 でも、その時期にYouTubeチャンネルの再生リスト「吉祥伝」で街の人のインタビューを始めたりとか、コロナの時期にインタビュー・アーカイブという方向にシフトした感じ。テレ吉もその時期に誕生したし。
かじ 時間は十分にあったので、意外とがんばってたかもですね。インタビューをすることで吉祥寺の街の人たちと知り合えたのがよかったです。
あと、この5年間で一番記憶に残っているのは、ツイッターの炎上ですかね(笑)。
井上 でも、「炎上」ってある意味必要なんだということがわかりました。
かじ 登録者数が増えましたね。
井上 そういうことでもないと、みんな吉テレの存在にさえ気づかないから。
グッチ 僕が一番きらいな「炎上商法」ですね(笑)。 僕はこの5年を振り返ってみると、昔の動画の希少性が出てきたかなと思っています。例えばもう廃業してしまった銭湯とか、吉祥寺の移り変わりが動画で見られることに価値が出てくるのではないでしょうか。僕が吉テレでやりたかったことのひとつに、「街の歴史的なアーカイブを作る」ということがあったので、今後もその活動を充実させていければと思っています。また、吉祥寺に関わる方々へのインタビューも続けていきたいです。昔から吉祥寺で活躍されている方々に、吉祥寺という街の変遷について伺っていきたいと考えています。
井上 そこで生きている人の声を、その場所で記録していくような街のアーカイブは必要なんだけど、そこにお金は生まれない。アーカイブだけじゃなくてエンターテインメントなことをやらないと誰も見てくれないし、そのバランスが難しいですよね。
グッチ そこはたぶん意見が分かれるところなんですよね。みんなに見てもらうためにはエンターテインメント性が必要なんだけど、アーカイブはエンターテインメントなしでもいいと僕は思っていて、むしろ真面目なインタビューのほうが取材もしやすいし、おふざけなしでじっくり語ってもらいたいという気持ちはあります。
井上 今はお祭りやイベントをひたすら記録するサイトも増えていて、コロナでYouTubeをやる人も増えたし、記録は行政もやるんだけど、みんなが見て面白いというものではないですよね。お店紹介だけなら他にもあるけど、吉テレとしては人が大事だと。真面目な話も編集次第で面白くなると思うんです。それはその人の生き様だから。
上澤 映像はいいですよね。文章を読むのってけっこう面倒臭いけど、映像だとさらっと見られるし、やっぱり視覚から入ってくる情報は強いです。吉祥寺の文化がそうやって映像に残っていくのだから、市がお金出してくれたらいいのに(笑)。
吉テレさんは収益的にはどうなっているんですか?
井上 基本、地域の活動でお金を生み出すのは難しいですね。吉テレのサイト制作費も吉テレ開始5年の区切りとして補助金の申請をしつつ、それなりの出費もしています。以前、あるビジネスプランコンテストで動画の制作費をもらいながらYouTuberを目指すというマネタイズ計画を考えましたが、やってみて半年で「これは無理だな」ということがわかりました(笑)。本当にマネタイズしていくなら、最低でも二日に一回は街の人のインタビューを配信するぐらいの勢いでやらないとダメですよね。吉祥寺のカフェや美容院に興味があっても、街全体に興味がある人って限定的ですから、YouTubeの登録者数もなかなか増えないです。みなさん、吉テレのチャンネル登録お願いします(笑)。
(取材:いなだゆかり)
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