ALOHA PLANNING
三浦 直子(みうら なおこ)さん
どのような事業をされているのですか?
冷やし中華専門店がメインになっていますが、他にもハワイの生地の輸入販売・デザイン業・ハワイアンイベントの企画運営などを行なっております。特に吉祥寺のアロハフェスは毎年ゴールデンウィークに開催するのですが、1,000人のフラダンサーが出演し、1万5000人を集客する一大イベントです。これらの仕事は、元々ハワイ好きでしたので、ハワイに通ずる仕事がしたいと独学でやってきました。
いつから起業を意識されましたか? どのような準備をしましたか?
始めは子供が小さくて外に働きに行けなかったので、家でできる仕事をと思いネットショップを立ち上げました。デザインの仕事も家でできるので同時期にスタートしています。色々とやって行くうちになんとなく好きな事を仕事にしてきたわけですが、ハワイに住みたいという気持ちがだんだん強くなり、「いつかは住みたい」から「実際に住むにはどうしたらいいか?」と考える様になりました。そんな時ふと閃いたのが『冷やし中華専門店』です。これは後に事あるごとに「なんで冷やし中華なの?」と多くの方から聞かれるのですが、私にしてみればハワイでできる事を考えた結果で、一年中夏のハワイなら冷やし中華が売れる!と言う単純な考えからのスタートでした。そこからは実際にハワイでビジネスとして成り立つのかリサーチを始めるのですが、決して順風満帆なものではありませんでした。半ば諦めかけていた時、ハワイでお世話になった製麺会社の社長さんからNYで1ヶ月間の出店のチャンスをいただきます。ハワイでしか出店する事を考えていなかったので、突然降って湧いたNY話、しかも一度も行ったことがない土地に最初は戸惑いましたが、まずは行ってみないと分からないのでNYを下見に行きます。
起業のきっかけはなんですか?なぜ起業したのですか?
実際にNYに下見に行く前はあまりにもハードルが高すぎて無理かもしれないと思っていたのですが、これが現地に行ってスタッフや環境を見て「できる!」に変わります。そして2017年の夏に初出店し無事に大盛況で終えることができると、また来年も出店したいと翌年の出店を決めて帰ります。結局3年連続でNYに出店しましたが、この経験は自分にとって大きな自信につながり、あんなに拘っていたハワイですが、思いもよらない場所で出店できたなら、どこでもスムーズに出店できる場所でしようと考え方も変わってきました。その後赤坂にNY逆輸入冷やし中華として初めて日本にお店をオープンさせます。すぐに話題のお店になったのでオープンから1年後、近くの20席ほどの大きな店舗に移店しました。さあこれから!というタイミングでコロナの影響を受けてしまい、オフィス街だった赤坂からはパタッと人が消えました。この時の状況を思い出すと今でもゾッとするのですが、タイミングよく吉祥寺の知り合いのお店が「一緒にやらないか?」と声をかけてくださり再スタートしました。こうやって場所は変わってもやり続けられたのは本当にラッキーでしたね。
あなたの事業の強み、アピールポイントは何でしょうか?
ないものをやることでしょうか?冷やし中華専門店も他にはありませんし、イベント業においても最初はフラダンサーたちが踊れる場所がなかったのでイベントを立ち上げました。どれが本業とは言えないくらいどんなことも仕事になるなら仕事にしてきた結果です。目まぐるしく環境も変わってしまったのですが、辞めずにやっていたおかげで今ではTVや雑誌で取り上げられる様になりました。振り返ってみると、いつもその時の状況に合わせて臨機応変にやってきた事とフットワークの軽さが私の強みだったのではないかと思います。またチャンスがあればハワイ出店もしたいですし、今後は店舗に拘らない方法も視野に入れています。これからも柔軟に焦らずチャンスを待ちたいと思います。
起業して感じることは?
よかったことは自分の時間が自由に使えることです。シングルマザーになって子供の事でお休みをしないとならないときになおさら感じました。その代わり自己責任なことが多いですが、悪かったことはないです。
起業を志す方へのアドバイス
私が仕事をする上で大切にしていることは実際に目で見て感じたことが全てということです。この時違和感を持ったことは後々に大きなトラブルに繋がったりしますし、成功するイメージがあれば迷わず突き進みます。それだけ聞くと感覚だけで決めてるのかと軽く思われそうですが、まずは行動に移してみることが大事で、頭で考えすぎて行動に移さない人の方が実は多いのではないかと思います。
アドバイザーからの一言まず何よりも「冷やし中華専門店」という着眼、非常に斬新です。そして、三浦さんの行動力、周囲を味方につける魅力、どれをとっても起業家向きですね。NY→赤坂→吉祥寺と、ご本人がおっしゃる通り、まずは行動に移してみることで、コロナ禍においても新しい展開が拡がっています。「住みたい」から「どうやったら住めるか」への発想転換のセンスも、起業家としての必須要素ではないでしょうか。三浦さんの次なる行動から、何が生み出されるのかワクワクします。 株式会社マネジメントブレーン代表取締役 社長 姫野 裕基 |