Bistro ideal & 欧風カレーイナバ
稲葉 雄太(いなば ゆうた)さん
どのような事業をされているのですか?
武蔵野市内、三鷹駅北口徒歩3分の場所にてレストランを経営してます。20年以上の料理人としての経験を活かし、ランチはモダンクラシックな欧風カレー屋、ディナータイムはフレンチを軸としながらジャンルレスなビストロ営業してます。1店舗で2形態の業態を展開してます。
いつから起業を意識されましたか? どのような準備をしましたか?
夢としていつか自分の手でレストランを立ち上げたいと思ったのは高校時代からで、本格的に準備をし始めたの起業する3年前でした。まず飲食店の起業セミナーを受講しました。そこで自分に足りない知識やスキルが何かを知ることから始めました。料理は出来るけど、ビジネスマナーと呼ばれる常識的な事、名刺の交換の仕方すら全く知らなかったので、色々な事を学ぼうと思いました。セミナーをきっかけに、自分のお店はどういった商品を販売してお客様に喜んで頂き対価を得るのか、という事を具体的に考え始めました。そして、自分の料理人としての市場価値はどのくらいかな? などという視点でも考えました。自分が勝負出来る場所、自分がお客様に喜んで頂ける商品は何かなどとも考えました。それと同時に開店資金の準備を本格的に始め、日本政策金融公庫と出店地区の信用金庫に行き資金の相談をしました。また事業と個人の支出を明確にする為にビジネス用のクレジットカードを作ったり、街の不動産屋の方とも顔見知りになっておき、少しずつ物件情報を得るようにしていきました。
起業のきっかけはなんですか?なぜ起業したのですか?
漠然と35歳頃に独立したいと考えていました。会社員として料理人を長い間やってきて、スピード感を持ってお客様に寄り添う理想の商品、様々なサービスを提供するには組織の中の1人としてでは、無理だと言う事も痛感してました。そんな中、36歳頃にそろそろ独立と動きだし、商品開発をしていく中で、自分の商品を本格的に世間に広めたい、もしかしたらこの商品を喜んでくれる方が居るかもしれないという思いと、年齢的にも、体力的にもこのタイミングで独立するのが自分にとって最善だと思ったからです。
あなたの事業の強み、アピールポイントは何でしょうか?
妻がデザイン事業を営んでるので、他店に比べてメニューや、チラシ、店のロゴなどデザイン力は強いと感じています。身近にデザイナーが居るため日々ブラッシュアップして、よりお客様にわかりやすい店作りが出来る点。自分の20年間培った料理人としての経験。またメイン食材となる牛肉を中間業者を挟まず仕入れる事で、お客様にお求めやすい価格で最高級な肉料理を提供出来る点。自分自身、謙虚に人の意見を聞き、良い物、良い習慣、考え方などは良いと思った物は取り入れようと思う所も強みかと思います。
起業して感じることは?
人との縁、つながりが広がりました。全ての事に対して自由に選択、決断が出来る事、またそれに対して責任を負うという事で、今まで以上に仕事が楽しくなりました。悪かった事という所までいかないですが、財務管理、営業、マーケティング、などこの分野に対しての能力が足りなかったと痛感しています。それ以外は起業して良かったなと思っています。
起業を志す方へのアドバイス
飲食店で現在働いている方で独立しようと思っている人は、絶対に独立した方が良いと思います。大変な事は間違いないですが、個人店ならではのスピード感を活かし、色々な料理、販促、営業活動などが自分の決断で行えます。益々、料理、飲食の仕事が楽しくなるはずです。金融機関への相談は行っておいた方がいいです。具体的な融資の金額もある程度教えてくれます。その為に自己資金をいくら用意する必要があるのか、数字に落として計画を練る事が出来ます。
アドバイザーからの一言オーナーシェフは、「職人」という側面と「経営者」という側面を併せ持ちます。勤務している間は、職人としてのスキルは上がっても、経営的な視点でお仕事を考えることは難しかったかもしれません。稲葉さんはそのことにいち早く気が付き、セミナーや金融機関を通じ補完したところが素晴らしいですね。デザイナーの奥様が、デザイン面のサポートをされているというのも、夫婦共業のスタイルとしてはアリですね。モダンクラシックなお店、とてもオシャレですよ。 株式会社マネジメントブレーン代表取締役 社長 姫野 裕基 |