ネイルサロン NAIL FRONTIER
志村 芙未乃（しむら　ふみの）さん

http://www.nailfrontier.com/

どのような事業をされているのですか？

ネイルサロンを営んでいます。自分が主婦になり、家事の多さからネイルのもちが悪くなった経験から、特に【長持ち】にこだわり、どのようなライフスタイルの方でも必ず長持ちさせる技法と商材を開発しました。
また、繊細な手描きデザインが特徴的なネイルサロンで、どのような爪の形状のお客様でもイメージ通りのネイルアートができます。

いつから起業を意識されましたか？　どのような準備をしましたか？

起業する1年前くらいからです。まずは起業についてしっかり勉強しようと考え、創業スクールに参加しました。理念・マーケティング・労務・税務について基礎的な知識を教えて頂き、事業計画書・資金計画書が作れるようになりました。
また、卒業作品として自治体のビジネスプランコンテストにも出場し、その準備の為にスピーチレッスンに通ったり、資料作りを通して、苦手だった[分かりやすく話すこと] [パソコンでの資料作り]を克服しました。
業種柄、駅近で見た目の良い物件を押さえることはマストで、収入証明が無いので仲介してくれる業者さんを探すのに時間がかかりました。
専業主婦として1歳の子供を家庭保育していたので、保育園探しが一番苦労しました。保育園の申し込みには勤務地の住所が必要で、不動産屋さんには当然保育園が決まっていることを証明しなければならないからです。
専業主婦でこれから起業というステータスでは、1次も2次も保育園は全落ちし、その間に良い物件は埋まって行ってしまう状況の中、あらゆるつてを頼って準備しました。

起業のきっかけはなんですか？なぜ起業したのですか？

私は二十歳くらいからずっとネイリストなので、ネイルしかできませんしネイルのお仕事が大好きです。出産を経て社会復帰したいと思ったときに、保育園の送り迎えをしながら私の年齢で求人を探したところ、求人はありませんでした。よってネイリストとして働きたければ起業しか選択肢はありませんでした。
自宅サロンではなかった理由は、自宅に新規様をお受けできる環境がなかったことと、出勤をしたかったからです。朝起きて、身支度を整えて仕事場にいくという、私の中での社会人の姿でありたいと思いました。
オープンした美容サロンが10年後も生き残っている確率は5％と言われています。やるからにはしっかりお金を稼いで、今後自分がさらに年齢を重ねても継続して稼ぎ続けられるビジネスプランにしようと考えました。そのことが今後、女性中心である職業のネイリストたちへ産後の働き方の提案や、働く場所の一つの選択肢になりたいですし、この技術が同じ働くお母さんであるお客様方の助けになれればと考えています。

あなたの事業の強み、アピールポイントは何でしょうか？

きれい・長持ち・さらに速いネイルのご提供です。従来のサロンでは、仕上がりが美しいと時間がかかる、施術時間が速いともちが悪かったり仕上がりがいまいちである事が一般的でした。当店では他店様の70％程度の施術時間で、最大２倍の期間長持ちさせます。
ジェンダーレス社会にあっても、ネイルサロンでは女性客中心です。現代の女性は多忙で、特に当店のターゲット層である[働くお母さん]達は極めて忙しい生活を送られています。仕事・家事・育児に追われ、自分の美容にかけるお金はあっても時間が無いのが現実です。美容室、エステ、アイラッシュサロン、色々と手入れする時間を捻出するのは困難です。一度のネイルに3時間取られ、それも3週間に1度取り換えに来店する時間はありません。施術時間が1時間のネイルサロンへ行っても1週間ではがれてしまったら、同じ事と言えます。
当店では1回2時間以内、それを必ず1か月長持ちさせます。平均単価は10000円程度と一見お高めに見えますが、付け替えまでに5週間持たせるので、お客様にとっての時間単価がどこよりも安く、なにより快適にお過ごし頂けます。

起業して感じることは？

長年大手グループサロンに勤め、管理職まで経験させて頂けた事からの経験と人脈に大変助けられました。特にウェブ広告に関しては、低コストで最大のPV数を獲得することができており、従業員が増えた今でも集客に困らず、前職での経験に本当に感謝しています。
起業して悪かった事はひとつもありません。失敗する事、悩む事もそれなりにありますが、都度高い目標を追い続ける事で充実した仕事ができています。
起業して良かった事は、小さな子供がいて起業して事業展開していく物語をSNSで発信したところ、業種の違う働くお母さん達から『励まされた』と反響を頂く事です。ネイリストは産後、時短勤務になり肩身の狭い思いをしながらパートになるか、ひっそりと自宅サロンを営むことが主流でしたが、同志である働くお母さんたちからエールを頂き、大変励みになっています。
また、夫婦仲も確実に改善しました。以前は家にいる時間が多かったので、パートナーのできていない事ばかり気になってしまいましたが、現在はお互い多忙なので協力しあい、小さなことに感謝できるようになりました。
経済的に豊かになった事も大きい要因で、小さい額を頑張って節約するのではなく、時間や自由の為にお金を使うことができるので心も豊かになったように感じます。

起業を志す方へのアドバイス

ご準備を充分になさることをお勧めします。金銭面ですと、ご自身の事業が軌道に乗るまでの固定費・生活費を蓄える事。経営について学んでおくことも大切な準備だと思います。
また、従業員を雇用する予定の場合、雇用したいと思うのは自分が最高潮に忙しい時なのでその準備もあると後が楽でした。各種保険や税務についても知識を入れたり、私の場合査定基準も決めておいて良かったです。面接時に求職者へ未来を提示する事で、雇用した直後から従業員の高いパフォーマンスを引き出すことができました。