ACT芸能進学校(A芸)
蛯名 涼子(えびな りょうこ)さん
どのような事業をされているのですか?
私はオンラインで学べる演技スクールを運営しております。子どもたちがメインですが、5才から大人まで全国に生徒がいます。東京限定になってしまいますが、リアルでも学べるコースもあります。生徒たちが表現活動のアウトプットができるように、自分たちで映画製作や映像製作も行います。
今後は俳優を目指している方だけが演技を学ぶのではなく様々な分野に広げていきたいと思っています。別の業種の方々向けにお芝居を使った講座を作ったり、保育園や民間学童に出張レッスンや、小学校で映画作りを通じた学びの提供も実施しています。
いつから起業を意識されましたか? どのような準備をしましたか?
起業自体は昔から漠然と夢ではありました。ただ、経営の勉強もしたことがなかったし、大学も全く関係ない工学部です。起業することになるなんて全く考えてはいませんでした。私の場合は会社員として働いている時にたまたま機会があり、見切り発車で起業という形になってしまったので、準備という準備は全然できずにスタートしました。
立川にある創業ステーションに駆け込んで相談したり、武蔵野市の商工会議所が主催している創業塾に参加したり、とにかく大慌てで勉強しました。読書は苦手だったのですが、起業や経営に関する本をたくさん読みました。セミナーや交流会にはなるべく足を運びました。とはいえまだまだ勉強不足。独立してからもうすぐ2年になってしまいますが、サービスを運営しながら並行して勉強しています。
準備の中で経理関係が一番苦戦しました。独立してすぐに講師の方々に報酬をお支払いしないといけないけど、どうやって管理したら良いの?税金を払わないといけないようだけどどうすれば良いの?と、とにかくパニック。。。専門家を雇う余裕もない。本とネットに頼りながら何とか頑張って乗り切りました。
起業のきっかけはなんですか?なぜ起業したのですか?
小中高と演劇部に所属、大学では落語研究会とお笑いサークルに所属し、表現活動やエンタメ分野にとても関心がありました。ですが趣味の範囲でしか考えてなく、仕事にするつもりは全くなくて、大学では工学部、さらには半導体分野で大学院進学まで決めていました。ですがお金を稼ぐなら理系だよね。くらいの軽い気持ちで考えていたのが問題で、「研究」というものが自分に合ってないことに気がつきました。
急遽、大学院進学を直前に辞退し、エンタメの方向に舵を切り、映像関係のスクールに通い映画制作会社に就職。再度「演技」と向き合うことになります。職業として「演技」をしている俳優さん、私のように趣味で「演技」を楽しむ人、それぞれ目的は違うかもしれませんが、人生を豊かにするツールとして可能性を感じました。
コロナ禍でオンラインでできる演技スクールとして誕生したACT芸能進学校の立ち上げから参加していたのですが、突然サービス終了の危機に直面しました。今思えば本当に見切り発車な行動だったのですが、自分にとって今後ないチャンスだと直感し、引き継いで独立させて欲しいと頼み込みました。そこからは休む間もなくサービスの運営をしながらの独立だったので、とても大変でしたが、やりがいのある日々だったと思います。
あなたの事業の強み、アピールポイントは何でしょうか?
オンラインで参加できるので、どこに住んでいても俳優を目指したいという夢に挑戦できます。私たちは夢のサポート、応援をしています。たくさんの情報があふれているので、情報を集めやすい反面、怪しい情報もあります。芸能界を目指す若者たちを騙したり、ハラスメントをしたりするような人たちから守れるような、正しい情報の提供、気軽に相談できる場所としても活用してほしいと思っています。今後は俳優業をしている方の複業の支援もできたらと考え中です。
必ずしも俳優を目指している必要はなく、子どもの頃から表現力やコミュニケーション力を楽しみながら身につけるきっかけになったら良いなと思います。私自身、もちろん俳優ではありませんが子どもの頃に演技を経験していたからこそ、人見知りの改善や、人前での発表、他人の気持ちを理解する力、自分自身の理解にもつながったと思います。演劇部で舞台を作っていたので、本番までのモチベーションの作り方やチームワークは受験や仕事上のプロジェクト進行にも役立ったと思ってます。子どもの習い事や大人のストレス発散にも役立つ習い事としても活用していただきたいです。
これまで一緒に作り上げてきた方々の意思を受け継ぎつつ、今後はもっと自分の色を出していけたらと思っています。今の事業をいかして新しいことにも挑戦していきたいです。
起業して感じることは?
きっかけは見切り発車でしたが、後悔はしていません。少人数の会社に所属していたので、そのまま会社員だったとしてもステップアップはできなかったと思います。会社の方針で自分がやりたかったこともできなかったり、挑戦したいこともできなかったりしたと思います。それこそ急にサービス終了も考えられます。起業してからは自分の判断でチャレンジできるので、責任も持たないといけませんが試行錯誤が楽しいと思っています。何事も学びが多く日々自分自身がレベルアップしている実感があります。今まで仕事上の同業の方としか知り合う機会がなかったのですが、起業してから勉強のためにセミナーや交流会に参加すると、これまで知り合えなかった業種の方々とお話しできる機会があり、とても充実しています。
困っていることをあげるとすると、私の問題ではありますが時間管理が大変です。今事務所がないので自宅で働いているのですが、プライベートの時間との境目が曖昧になり時間管理がはちゃめちゃになっています。これは逆に、うまく管理できれば自分の時間も作りやすくなると思います。予定はないですが、もし子育てをするタイミングがきたときに対応しやすいのではないかと考えてます。(甘い考えかもしれません)早く時間管理の問題を克服してメリハリをつけて無駄な時間を省き、自由な時間を確保して映画鑑賞や趣味であるゲームをする時間にあてていきたいと思います笑。
起業を志す方へのアドバイス
起業を志す方へのアドバイスとして、まず自分の理念を明確に持つことが重要です。どんな困難があっても、その理念があなたの道を導いてくれます。また、失敗を恐れずに挑戦する勇気も必要です。失敗から学ぶことで成長し、成功に近づくことができます。
最後に、信頼できる仲間やサポーターを見つけ、一緒に成長していくことも大切です。起業は孤独ではなく、チームの力で乗り越えるものです。
アドバイザーからの一言勤務していた会社の事業を分社化して独立するという、珍しいケースに挑戦した蛯名さん。いわゆる 「リケジョ」 の彼女が、本来の自分に気づき、新たな一歩を踏み出したことが、文章からも伝わってきます。この絶好のタイミングを見逃さず、迷いなく起業に踏み切った蛯名さんの決断力と直感力は、彼女の持ち味でしょう。多くの人は、普段の自分とは異なる 「新しい自分」を演じてみたいという願望を、少なからず抱いているのではないでしょうか? そんな皆さんは、ぜひ一度A芸にアクセスしてみてください。 株式会社マネジメントブレーン代表取締役 社長 姫野 裕基 |