Change Anytime(チェンジ エニタイム)
宮土 未帆(みやど みほ)さん
一般社団法人日本スポーツコーチング協会 スポーツコミュニケーション アドバイザー&コーチ https://change-anytime.com/
スポーツ指導者・各関係者への研修、講座を開催
講師として企業向け研修のほか、経営者、会社役員、会社員から起業家、また、独立起業を目指している人、主婦、児童・生徒に至るまで、コーチングによるセッション、セミナー活動、講座、イベントを開催しています。
特に現在は、スポーツコミュニケーションアドバイザー&コーチとして、スポーツ指導者・各関係者への研修、講座を行っています。
その他、教職経験を活かした学生へのメンタリングを大学で行っています。
自分の本当にやりたいことと現実とのギャップ
私は小学校の教師を目指しその目標を達成し、日々教壇に立っていました。最初に赴任した特別支援学校では、後の私の教員としての資質の幅をもたらしてくれました。3年後の異動で区立の小学校勤務となりました。晴れて「やりたい」と思っていた授業、学級経営ができると胸を躍らせたわけですが、実際は、これまで自分で思い描いていたイメージとは全く違っていました。
早朝から夜遅くまで勤務し、休日も準備や保護者対応に追われることになりました。それでも子どもたちの一生懸命な姿や笑顔と共に一体感を感じられた時は、何ものにも代えがたい喜びがありました。仕事がきつい中でも、このまま私のゴールは教員として全うすることと考え、疑いませんでした。
ただ、いつからとははっきりしないのですが、少しずつ自分の本当にやりたいことと現実とのギャップを感じるようになっていきました。今思うと、このことが後に起業することに繋がっていったのだと思います。
起業するための準備としては特別なことはしませんでした。あえて言うならば、興味を持った「コーチング」について、多くの書物を読んだり学びに行ったりしたことや、起業をした友人に話を聞いて興味を持ち、「マーケティング」について学んだことが準備になったと言えます。
教員という仕事を続けてきた結果が起業するきっかけに
思い返してみますと、教員になりたいと思っていた学生時、教育実習先の先生から「教師という職業はやりがいがあり、女の人にとって最高に素晴らしい職業です。可愛い子どもたちに囲まれながら、結婚後も出産後もずっと働くことができますよ。」と言われ、私の中で「教師になりたい」という気持ちがさらに大きくなったのを、今でもはっきりと覚えています。
実際教員となり、年々要求されることが多くなり、気づけば長時間労働となっていました。当初「教師になったらやりたい」と思っていたこともできない状況になっていました。
また、結婚、出産、育児と私自身の生活スタイルの変化もありました。年齢とともに体力的にもきついと感じることも多くなりました。時代の流れとともに「教師という職業は、女性がずっと続けることが難しい職業」となっていったのです。
最終的に結論付けたことは、「子どもたちの成長を願い、サポートしていくことは他の方法でもできるはず。」でした。教員という仕事を続けてきた結果が起業するきっかけに繋がったのです。
スポーツは 「自ら考え主体性に富む」 人へと成長させていくもの
教師経験に基づく「観察眼」による「多様な言葉がけ」や「コミュニケーション力」は、児童や若手教員の個を引き出し、やる気を出させ、保護者や地域からの信頼や結びつきを強くしてきました。
これまで授業や研修に取り入れてきた、目標達成や将来のビジョンを描き行動へと促すプロセス(コーチング)、能動的な学習への参加(アクティブラーニング)、頭の中で起こっていることを見える化する思考ツール(マインドマップ)、仲間が思いを一つにし、ゴールに向かって進む組織づくり(チームビルディング)は、多くの会社に適合するため、企業研修にシフトしています。
また、小学校における「体育」を専門に研究してきた経験から、スポーツは、昔から言われている「心技体」だけでなく「自ら考え主体性に富む」人へと成長させていくものだと実感しています。
現在成果として結果を出しているアスリートやスポーツチームは、指導者と選手とのコミュニケーションによる関係性を重視されています。ここで培われたものは、さらに先にあるキャリアに活かされます。
スポーツをしてきたからこそ未来に活躍できる人となることを、スポーツコミュニケーションアドバイザー&コーチとして、科学的なスポーツコミュニケーションのノウハウと、コーチングスキルとツールをご提供させていただいています。
起業は全て自己管理・自己責任の下で進めなければならない
教員としての働き方は、
勤務時間=決められた始業・終業時間がある。ただし、その時間内で仕事は終わることはない。休暇=決まった日数の休暇はあるが、自由に休みを決められない。仲間=職場の同僚、上司がいる。分からないとき、困ったときに教えてくれる。助けてくれる。ただし最終的には自己責任。スキル=研修がある。
ですが、起業してからは、ほとんどこの逆といっていいと思います。
勤務時間=決められた始業・終業時間がない。自由である。ただし、仕事におけるタイムマネジメントができていないと、不眠不休に陥ってしまう。休暇=決まった日数の休暇はなく、自由に休みを決められる。仲間=個人事業主の場合、職場の同僚、上司がいない。ただし、起業家の集まりに参加すると、これまで以上の人脈が広がり、仲間(同志)ができて、分からないとき、困ったときに助けてくれる。ただし最終的には自己責任。スキル=常に自己投資してスキルを磨く必要がある。
良くも悪くもこのような違いがあります。つまり、起業は全て自己管理・自己責任の下で進めなければならないということです。
起業を志す方へのアドバイス
これまで築いてきたキャリアを捨て、新しいキャリアを築くことはとても勇気のいることです。でも、すでに満杯に入っているところに、新しいものを入れることはできません。思い切って古いものを捨てることで空きができて、新しいものを入れることができるのです。大きなものを入れたいと願えば願うほど、大きなものを捨てなくてはなりません。そして、それは実行した者だけに与えられるチャンスだと、実行し起業した私だからこそ皆さんに伝えられる確かな言葉です。
アドバイザーからの一言宮土未帆さんは、2017年4月、教員を辞めると同時に起業をされました。 株式会社マネジメントブレーン 廣瀬 訓子 |