もんでん ゆうこIllustration Company
もんでんゆうこ さん
人と街を繋ぐ手描きのイラストレーター http://mondenyuco.com/
イラスト事業」と「教える事業」
もんでんゆうこIllustration Companyとしてイラスト制作を行っています。「イラスト事業」として1カットイラストからご依頼可能で、方向性、内容を伺えれば、こちらでのご提案、アレンジも可能です。一緒に考えながら、ご希望に添えるよう制作していきます。
また「教える事業」として、保育園絵画講師、大人の絵画教室を不定期で開催しています。
何も準備できてない状態での開業
起業を意識したのは、約10年ほど前です。当時師事していたイラストレーターの永沢まこと先生に『どうせ描くならプロを目指しなさい』と言われ、すっかりその気になりました。
当時は起業したいという意識ではなく、ただ漠然と「お金になる絵」を描きたいと思いながらひたすら描き、いつか誰かが絵を気にいって声をかけてくれれば、という夢物語に近い思いでひたすら絵を描き続けました。起業のための準備や知識が全くありませんでした。
ところが、地元で自分の絵を購入していただいたことをきっかけにご縁が繋がり、「広報たまちいき」の「多摩歩き」連載を担当させていただくことになりました。そのころから、これ、起業しているの? と思い、あわてて開業届けを提出することになりました。
以上のような感じだったお陰で、起業の準備が何もできていない状態で開業することになったのです。全てが後追いの作業でしたが、その後、i-dream様で開催された創業セミナーを受講して起業はしたものの、事業としての仕組みや運営はまだまだであることを痛感しました。
正直まだわからないことも多く手探りの状態ですが、事業を運営しながら準備をととのえているのが実情です。。
地元で絵が売れたことにより繋がるご縁
起業を考えたのは、12年前くらいに近所にあった雑貨屋さんを描いたのがきっかけでした。
当時、素敵だなと思ったお店を見つけると「描いてもいいですか?」と尋ね、描かせてもらうことがよくありました。その時も同じようにオーナー様にお断りをいれてからお店を描きました。オーナー様の感じがとてもよかったので完成した作品を見せると、購入したいと言ってくれました。人生初の自分の絵が売れた瞬間でした。
ある日、そのオーナー様から、「イラストマップを描いてくれる人を探してるみたいだけど、描いてみない?」というご相談を受け、日野駅界隈にある神社仏閣を七福神形式でご紹介するイラストマップ「日野宿寺社巡り」の制作をすることになりました。これが仕事として描くイラストマップ第1号となりました。
そのマップをきっかけに、「ひのカフェロードMAP」の制作にも携わらせていただきました。こちらは、ひの元気プロジェクトという創業・コミュニティビジネスの中間支援を行う団体が多摩信用金庫協力のもと行われたプロジェクトでした。
その後、多摩信用金庫様発行の広報誌を創刊するにあたり、一面のイラストマップの連載を担当させていただくことになり、月刊誌として現在65号目を迎えることができました(2018年10月現在)。このように、定期的に仕事の依頼が入ることで、事業として本格的に稼働していけるのではないかと思い起業へと繋がりました。。
人と街を繋ぎ、クライアントに利益をもたらすイラスト
私のイラストは全て手描きで製作し、色塗りまで仕上げる非デジタル式イラストです。現在多摩信用金庫様より発行されている「広報たまちいき」で連載中のイラストマップでは、お客様からの声で「毎月楽しみ、この地図を持って街を歩くの」などの声が聞かれ、アンケートの結果でも「地図がよい」など好意的なご意見が伺えます。また、イラストマップをきっかけに金庫様と契約をされたお客様もいらっしゃるそうです。
このことから、イラストマップは見て楽しむだけでなく、人と人や、人と街を繋ぐきっかけとなり、さらにクライアントに対し利益をもたらすことができると考えます。
そのほか、教える事業として保育園で開催中の絵画教室では、コンテストに毎年出品して賞をいただいております。保護者様からも「子どもが楽しく絵を描くようになった」「しっかり描けるようになりました」と好評です。「楽しく自由に描く」をモットーに子どもたちの感性を磨くお手伝いができます。
今後はこれらの活動が社会貢献へと繋がり、さらに広く事業を展開していければと思います。
今まで得られなかった人間関係を築く
事業としての制作作業は、納期があったり案件が重なったり、正直大変な時が多いかもしれません。ただ、一緒に制作していくクライアントは、いいものを作りたいという同じ目標にむかうチームであり、協力したり、アイデアを出しあったり、できていないところを補いあったり、今までに得られなかった人間関係を築くことができました。そしてそれはとても居心地のいいもので、個人事業とはいえ、人との大切な繋がりがそこにはありました。
さらにそうしてできた印刷物や、web上で公開されたものを、多くの方に見てもらう機会をもつことで様々な方と出会い、さらに次のお仕事へと繋がりました。起業しない限り、このような短期間でたくさんの方と知り合うことはなかったと思います。
ただ、個人事業主である以上、すべて自己管理になってしまうので、そこが大変な部分ではあります。値段設定、会計、契約書作成、売り込み、事業展開の見直しなど、不得手なことも多くあります。
お金をかければクラウド管理などでカバーできる部分もあるので、今後の検討課題として少しづつ仕事がやりやすくなればと思っているところです。
起業を志す方へのアドバイス
幼少期より絵を描くことが好きで、高校生の頃に絵を描く仕事に就きたいと思った時期がありました。しかし、デザイン系の学校は学費が高く、親とも相談して違う道を目指しました。
それが今、イラストレーターとして仕事ができており、夢をあきらめずに絵を描き続けたおかげなのかなと思います。夢をあきらめずに頑張っていただきたいです。
アドバイザーからの一言一度は違う道を目指したもんでんさん。それでも夢を諦めず、絵を描き続けてきたことで、ご縁がご縁を呼び、起業にいたりました。 中小企業診断士・マーケティング塾代表講師 姫野 裕基 |