株式会社スタッフjam
村松 純一(むらまつ じゅんいち)さん
『商品力を伝える』婦人靴販売 http://www.staffjam.co.jp/
シューズの特性や機能性、合わせ方など、商品の魅力をお客様に伝える
婦人靴の販売をしています。丸井や百貨店を売場にしています。神戸メーカーの関東での販売代行を主とし、自社で仕入れての販売もしています。
そして、この10月からはついに自社PB商品を発売いたしました。他にも、覆面調査、店長・スタッフ研修も依頼があればしています。
そのシューズの特性や機能性、合わせ方など、商品の魅力をお客様に伝えること、「商品力を伝える」ことが当社の使命です。
がむしゃらに情報を集めている時間は楽しかった
起業を目指していたわけではありません。でも、勤めていた会社で社長を目指していました。どうやったらもっと売れるのかを、自分なりに研究していました。「考えて」「実践して」「結果が出る」その小さな成功体験が毎回楽しかったんですよね。その積み重ね、経験が今では自信になり役に立っています。
また、売れる販売員、売れる店長には自分から話を聞きにいきました。結果を出している人とは仲良くなりたいですし、どうやっているのか教えてほしくて。メーカーや、デベロッパーなどの取引先との人間関係も大切にしていました。社外の情報はいつも新鮮でしたし、客観的に自分の立ち位置を確認できていたと思います。独立してからは、私に力を貸してくれる心強い存在になっています。
起業を決断してからは休みがなくなりました。退職日まで4カ月、仕事しながら勉強しました。『株式会社の始め方』的な本を熟読しました。独立した先輩にも会って、とにかく質問攻めにしました。ずーっと不安は消えませんが、がむしゃらに情報を集めている時間は楽しかったです。
1期目は報酬(給料)ゼロで臨みました。これは覚悟というか、自分を追い込みたかったんですよね。感覚を研ぎ澄ましたかった。
勤めていた会社が縮小「今しかない!」
きっかけは勤めていた会社が縮小を決めたことです。40歳以上の給料は下げると言われ、「定年まで働ける会社ではなくなってしまったな。自分でやってみよう!」と決断しました。
当時42歳だった私は、5年後、10年後では体力面、環境面、資金面で不利になる気がして「今しかない!」と迷いはありませんでした。
ファッション販売業って、一般的に販売スタッフの待遇が厳しいところが多かったんです。お店の商品が売れても、商品やブランドには脚光が当たるけど、販売スタッフの評価はなかなか上がらないし収入も上がらない。だから、2~3年で辞めてしまう人が多かったんです。そんな現状を変えたいと思っていました。同じ商品、同じブランドでも、店長や販売スタッフが変わると急に売れることもあります。また、その逆もあります。
私の会社では、販売スタッフを大切にしようという想いで社名に「スタッフ」を使いました。販売をする中で成長し、成果を上げれば収入も増える。販売スタッフが販売スタッフであることを誇りに思える会社を目指しています。
売場に関するどんな悩みにも答えられる
売場づくりを任せてください。販売員、店長、スーパーバイザー、マーチャンダイザー、ブランドリーダー、販売における一通りの仕事は経験してきました。売場に関するどんな悩みにも答えられる自信があります。
ただし、靴売場限定です。ディスプレイから商品管理、販売スタッフ教育、デベロッパーとの良好な関係作りまで、売場を成長させていきます。
売れるためには様々な要素があります。中でも一番の要素は販売スタッフを飽きさせないことです。ひとりのお客様が来店されるのは多くても月1~2回ですが、スタッフは週5日出勤します。売れて忙しければ飽きることはありませんが、今、そんな店は稀です。たいていは暇な時間が多いはずです。
スタッフに暇を感じさせないためには、スタッフをよく見ることが大切です。自ずとコミュニケーションが増えてくるはずです。暇そうにしている店より、販売スタッフがいきいきしている店の方が売れます。
弊社では販売の楽しさを伝え、強いチーム(ショップ)を作ります。新開発のPB商品も、私の25年の経験を活かしたものになっています。
まじめで一生懸命な社員は宝
「社長って大変だなぁ」、「従業員って楽だなぁ」と思うことがあります。でも、社長の方が楽しさは10倍です。いろんな人に助けられて、本当に感謝することが増えました。とくに、まじめで一生懸命な社員は宝です。
起業を志す方へのアドバイス
とにかく行動することが大事です。動かなければ何も始まりません。直感で動くことも時には必要です。その直感も自分自身が培ってきた経験に基づくものです。
そして、まわりの人を大切にすること。商売してるとうまくいかないときもあります。社長は孤独で、愚痴を言う立場でもありません。でも、そんなときに助けてくれる人が現れたりします。社員が頑張っている姿を見て励まされることもあります。だから、人には感謝の心を忘れずにいようと心掛けています。
アドバイザーからの一言普段の村松さんは物静かな印象ですが、文面から、実はとても行動力があり研究熱心な様子が伝わります。 中小企業診断士・マーケティング塾代表講師 姫野 裕基 |