9 売上・利益計画
売上計画は、利益を上げるために必要な計画です。利益は 売上高 ー 総費用 で表します。利益を出す為には、売上を上げるか、総費用を下げるかのいずれかになります。
1売上高を分解し、アップする方法
売上高は、一般的には 単価×数量で決まります。小売店の例でみると、客数×客単価になります。この 客数をさらに分解すると、客数=①既存客+②新規客ー③流出客です。
次に客単価も売上アップの要因になります。客単価、つまり1人(1社)が一定期間あなたから購入する金額になります。
従って 客単価=購買回数×1回当たりの購買金額になり、更に1回当たり購買金額=購買点数×商品1点当たり単価になります。
つまり売上高を上げるには、次の5つがポイントになります。
①新規客を増加 ②流出客の減少 ③購買頻度の増加 ④購買点数の増加 ⑤1点当たりの商品単価アップ
2総費用を下げる方法
総費用は、①変動費+②固定費で表せます。変動費は、売上高に応じて変わる費用で、主に仕入や材料費、外注費になります。
①変動費の着眼点は、粗利益率いわゆるマージン率です。このマージン率を上げ、変動費率を下げることで利益は出ます。
②固定費は、売上に関係なくかかる費用で人件費・家賃・交通費・水道光熱費などです。固定費は率よりも金額の引下げで、いわゆるコストダウンを図ります。
従ってこの固定費以上の粗利益が出ないと事業には利益が出ません。
売上高ー総費用(変動費+固定費)=利益 → 粗利益(売上高ー変動費)ー固定費=利益 です。
固定費を上回る粗利益が出ないと、右側の利益がマイナスになり赤字になってしまいます。
3損益分岐点を意識して経営を!
従って事業は、「赤字を出さない時の売上高は幾らか?」を意識しながら経営をする必要があります。この損益トントンを「損益分岐点」と言い、まずは事業を何か月目に損益トントンにするか? を考えることが重要になります。
前記例題の事業で見ると、マージン率(粗利益率)25.4%ですので、損益トントンは、粗利益=固定費 ですので、売上高×25.4%(粗利益)=700(固定費)です。この時の損益分岐点売上高(X)は、0.254X=700 → X=700÷0,254 → 2.756 になります。
求める損益トントンの算式は、損益分岐点売上高=固定費÷マージン率(粗利益率) になります。
まずは、自事業の、固定費を洗出し、平均マージン率を算出して、幾ら売上を上げたら損益トントンか?次に、目標利益を達成するための売上高は幾らか?を算出することになります。これが次の算式になります。
(目標利益+固定費)÷マージン率=達成すべき売上高 になります。